結論としては、離婚は可能です。
これまで認知症は、離婚原因に該当するとはされていませんでした。
しかし、1990年に長野地方裁判所が、ケースは夫と妻で逆になりますが、59歳の妻がアルツハイマー病とパーキンソン病にかかり、認知症の程度も重く夫を判別することもできなくなったという事案で、42歳の夫からの離婚請求を認めました。
当時の判決では、「強度の精神病」を離婚原因とはせず、「婚姻を継続し難い重大な事由」を離婚原因と認定しています。
この判決は、社会的に大きな反響を呼び、賛否両論の意見が多数出ました。
弱者になったときこそ夫婦として相手を支えなければならないという意見や、一方で、42歳の男性に再婚を諦めさせるのはあまりに気の毒だという意見もありました。
いずれにしても、このような状況の場合には、相手方配偶者への十分な配慮が必要になるといえます。