会社は株式会社と持分会社に分類でき、持分会社には合名会社・合資会社・合同会社の3つがあります。
合同会社(日本版LLC)は、会社法により新しく認められた会社です。
その内部関係は民法の組合と同様の規律が適用され、機関設計や社員の権利内容は、契約自由の原則により定款自治に委ねられます。
また、社員間の人的なつながりを重視するために、持分の譲渡には他の社員全員の同意が必要です。
それにもかかわらず、外部関係は出資者の全員が有限責任です。
例えば、株式会社では合弁会社を設立する際に、出資各社の株主間契約により出資割合と関係なく出資各社の協議で合弁会社の意思決定をする旨の約定が取り交わされることがありますが、その株主間契約に違反しても単なる契約違反にすぎません。
すなわち、株主間契約に違反した合弁会社の決定自体は、会社法上有効です。
これに対して、合同会社では定款自治が強化されているので、定款で出資比率に関係なく頭割りで議決権を定めた場合は、それに違反する決定は定款違反になり、会社法上無効になります。
このように、合同会社は設立の事情に応じた柔軟な内部関係を構築することが可能になります。
また、合同会社は、剰余金の配当割合も定款で自由に定めることができ、出資者の事情や貢献度に応じた配当も可能になります。